消防庁の院外心停止全国前向き全例登録を用いて、高齢院外心停止の神経学的転帰を検討した。65-74、75-89歳の神経学的転帰良好の割合は年々改善傾向にあったが、90歳以上では改善を認めなかった。神経学的転帰良好に関連のある因子として、初期波形種別、目撃の有無、年齢を同定し、『院外心停止後神経学的転帰良好予測率層別化モデル』を作成した。初期波形が除細動非適応波形で目撃がない場合には、1ヶ月後の神経学的転帰良好は1%未満と予測され、特に高齢者において蘇生処置の差し控えを検討する根拠となると考えられた。一方で、神経学的転帰良好の割合は年々改善しており、適宜、モデルのアップデートが必要と考えられた。
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