本研究の目的は、胎児期および乳児期における抗菌薬曝露と小児喘息・アレルギー疾患発症との関連を明らかにすることであった。本研究では、株式会社日本医療データセンターのレセプトデータを用いて、後方視的コホート研究のデザインにより検討した。 結果から、胎児期の抗菌薬曝露は子の小児喘息発症にはほとんど関連が見られなかったものの、乳児期の抗菌薬の曝露は、弱い関連がみられた。しかし本研究では、抗菌薬の処方の詳細な状況は考慮できておらず、適応の交絡が除去できていない可能性がある。また、レセプトデータによる検討のため小児喘息の定義に一定の誤分類が生じている可能性もあり、今後のさらなる検討が必要と考えられた。
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