研究課題
若手研究(B)
健常者と多発性骨髄腫(骨髄腫)患者の3つのPD-1 一塩基多型(SNPs)、2つのPD-L1 SNPs、4つのCTLA-4 SNPs、およびIDO-1、IDO-2のそれぞれ1つのSNPsを決定し、比較検討を行った。PD-1とIDO-2の発現が高い遺伝子型および活性の高い遺伝子型が骨髄腫の発症に関与し、CTLA-4およびPD-L1の発現の高い遺伝子型をもつ骨髄腫患者はより悪性度の高い症状を持つ割合が高かった。しかしながら、いずれのSNPsも骨髄腫患者の予後への影響は認められなかった。
血液検査学
本研究成果は、当初期待したPD-1遺伝子多型の多発性骨髄腫患者の予後予測バイオマーカ―としての有効性を認められなかった。しかしながら、PD-1をはじめとした免疫チェックポイント分子の遺伝子多型が多発性骨髄腫の発症やより重症な症状への関係性することが認められ、腫瘍に対する免疫を抑制的に調節する分子の遺伝的な背景が、まだ明らかとされていない多発性骨髄腫の発症および進行のメカニズムに何らかの影響を与えることが解明された。