研究課題
若手研究(B)
本研究では、間葉系幹細胞(MSC)の移植効率を反映するサロゲートマーカーを明らかにすることを目的としている。一般的なMSCの分離法は、組織から得られる雑多な細胞集団を接着培養するというものである。しかしこの手法では、長期の細胞培養が必要な上、MSC以外の細胞の混入が避けられない。より有効性の高い細胞を分離するため、組織中の細胞を選択的に分離する「新鮮純化法」を開発した。新鮮純化MSCはTen-4を高発現している。この方法によって骨髄MSCを高効率に純化できるということを明らかにした。
医化学一般、細胞生物学
本研究において、ヒト、マウス、ラットの間葉系幹細胞をを高純度に分離するマーカーとしてCD73の同定に成功した。この方法によって分離された間葉系幹細胞のラットへの移植実験により、移植効率が向上することを明らかにした。CD73は間葉系幹細胞のユニバーサルマーカーとなりうる可能性が示唆された。ヒト間葉系幹細胞を用いた移植治療への有用な分離方法となることが期待される。