研究課題
若手研究(B)
骨髄増殖性腫瘍と呼ばれる疾患群のうち,一部の疾患では二次性の骨髄線維症へ移行することが知られている。移行後の予後は極めて不良であることから,線維症の予後因子を見出すことを目的とした。これまでに,骨髄線維症において見出される遺伝子変異を対象としたターゲットリシーケンシングを100例超の骨髄線維症患者に対して実施し,ASXL1変異とSRSF2変異の存在が,骨髄線維症の予後不良に相関する可能性を見出した。
病態検査医学
本研究では,これまでの報告と同様,ASXL1変異とSRSF2変異が骨髄線維症の予後不良因子である可能性が示唆された。実際にこれらの遺伝子変異を有する症例における予後を詳らかにする必要はあるものの,将来的には,事前にこれらの遺伝子変異の有無を調べることで,骨髄移植など,より積極的な治療を選択できるようになると考えられ,社会的意義は大きいと言える。