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2019 年度 実績報告書

サーカディアンリズム関連因子に着目した予測できない突出痛原因の解明と予防法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K19212
研究機関大阪大学

研究代表者

仁木 一順  大阪大学, 薬学研究科, 助教 (00712879)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード突出痛 / 睡眠障害 / がん性疼痛 / アクチグラフィー / 多施設共同
研究実績の概要

【背景・目的】がん患者の予測できない突出痛は出現原因が分からないために対策が困難である。一方、近年、がん患者のサーカディアンリズムは乱れていることが分かっている。さらに、サーカディアンリズム異常の一つである睡眠障害が『痛み』の増悪につながる可能性が指摘されている。そこで本研究では、予測できない突出痛に対する予防法の開発を目指し、まずはサーカディアンリズム関連因子と『痛み』に着目し、がん突出痛とそれらの関連を明らかにすることを目的とした。
【方法】本研究は多施設前向き共同研究として市立芦屋病院、ガラシア病院、堺市立総合医療センター、市立川西病院、大阪大学大学院薬学研究科で実施された。試験参加初日(day1)には、被験者にアクチグラフを装着し、HADS、STAS-Jによる評価を行うとともに被験者背景情報を調査した。また、試験参加日の翌日(day2)から3日間(3晩分, day2~day4)、疼痛と睡眠について評価した。
【結果・考察】61名が本試験に登録されたが、その内12名は脱落し、49名が試験を完遂した。平均年齢[median (IQR)]は70(67,83)歳であった。49名中31名(63.3%)に突出痛が出現した。突出痛(+)群は、HADS(不安)、疼痛スコア(NRS)の最大値において突出痛(-)群よりも有意に高値を示した。単変量ロジスティック解析分析の結果、突出痛の出現に有意に影響する因子として抽出されたのは、HADS(不安)、疼痛スコア(NRS)の最大値であった。従って「日常の疼痛の強さ」「不安」が突出痛出現の要因となりうると考えられた。
【意義・重要性】本研究は、終末期患者を対象とし、主観的な評価のみでなくアクチグラフを用いた客観的評価系も加えて突出痛の原因を探索した世界初の試みであり、突出痛の原因となりうる数種類の候補因子を抽出することができた点で意義がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 予測できず誘因のない突出痛の原因解明を目指した探索的後ろ向きコホート研究2019

    • 著者名/発表者名
      仁木一順、岡本禎晃、大野心、西本哲郎、田中育子、上田幹子、上島悦子
    • 学会等名
      第13回日本緩和医療薬学会

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公開日: 2021-01-27  

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