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2018 年度 実績報告書

腱板断裂肩における上腕二頭筋長頭腱由来の痛みと神経支配の特徴

研究課題

研究課題/領域番号 16K19213
研究機関高知大学

研究代表者

泉 仁  高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (60420569)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード上腕二頭筋長頭腱 / 腱板断裂 / 痛み
研究実績の概要

本研究では、腱板断裂肩における上腕二頭筋長頭腱(Long Head of Biceps Tendon: LHBT)由来の痛みと神経支配の特徴について、①LHBT自体に由来する痛みの特徴はどのようなものか?、②LHBTがどのような腱板断裂の患者においてどれだけ疼痛源となっているのか?の2点を明らかにすることを目的とした。①に関して、高張食塩水のLHBTへの注射によるヒト実験痛モデルを作成し、LHBT由来の痛みは必ずしも肩前面に限局しないこと、腱に構造的、生体力学的異常がなくても痛みだけで結節間溝の圧痛閾値と肩外転筋力と肘屈曲筋力を約30%低下させること、肩外転筋力の低下は痛みの強さと関係するが肘屈曲筋力は痛みの強さと関係なく生じることを明らかにした。この結果を国際学会、全国学会で報告するとともに最終年度に論文を発表した。②に関して、手術で採取したLHBT、滑膜の免疫組織化学染色を行い、LHBTに発現する疼痛関連分子の検出を目指して最終年度も実験を継続した。腱のホモジナイズの方法、固定および包埋方法、抗体の種類や抗原賦活化処理法を含む染色手技に改善を加えながら複数回チャレンジしたが、いずれも過去の報告から想定したような疼痛関連分子の有意な発現は確認できなかった。直近の免疫染色の報告ではLHBTの実質部における神経支配はかなり少ないというものも散見され、これを検出することはかなり難しい可能性が考えられた。そこで疼痛関連分子の検出法をELISAに切り換えて実験を継続したところ、Substance Pと神経成長因子に関してはLHBTに滑膜と同程度の発現が認められたが、IL-1bについては極めて少ない発現であった。②については当初計画したゴールまで到達できなかったが、ELISAで得られた結果を今後の研究の足がかりにしていく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 上腕二頭筋長頭腱由来の痛みが肩外転・肘屈曲筋力に及ぼす影響2018

    • 著者名/発表者名
      泉仁 森澤豊 村松由崇 岩堀裕介
    • 雑誌名

      肩関節

      巻: 42 ページ: 399-403

    • 査読あり
  • [学会発表] Pain originating form long head of biceps tendon affects pressure pain hypersensitivity and motor function2018

    • 著者名/発表者名
      Masashi Izumi, Yutaka Morisawa, Masahiko Ikeuchi
    • 学会等名
      ORS 2018 Annual Meeting
  • [学会発表] 上腕二頭筋長頭腱由来の痛みが圧痛閾値と運動機能に及ぼす影響2018

    • 著者名/発表者名
      泉 仁,森澤 豊,上羽宏明,村松由崇,岩堀裕介,池内昌彦
    • 学会等名
      第91回日本整形外科学会学術総会

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公開日: 2019-12-27  

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