研究課題/領域番号 |
16K19231
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
河原 大輔 広島大学, 病院(医), 診療放射線技師 (20630461)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 電子密度 / 単色X線CT値 / 造影剤 / モンテカルロ計算 |
研究実績の概要 |
電子密度、kilo-voltage(kV) Computed Tomograpy(CT)値の2つの情報を使用した造影剤のみ抽出するプログラムを構築した。さらに様々な造影剤濃度における電子密度、kV-CT値情報から造影剤濃度マップを作成し濃度も判定可能とした。これにより造影剤は2mg/ml以上で抽出可能となった。また、造影剤が低濃度においても高精度に抽出可能とするため、新たに単色X線CT画像を40keVから130keVまで再構成し単色X線CT値の測定を行った。この単色X線CT値を使用することで抽出精度は向上した。 さらに造影剤抽出プログラムを使用した線量計算システムの構築を進めている。現在までに放射線線量計算コードであるEGSnrc/BEAMnrc及びParticle and Heavy Ion Transport code Systemを用いてモンテカルロ計算を行うための医療用加速器、X線撮影装置をモデリングした。このモデルは測定値と2%以内で一致した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
造影剤を抽出するシステムについては電子密度、kV-CT値の画像情報を使用することで高精度に抽出可能となっている。今後は実効原子番号画像についても抽出システムに加えることを想定している。線量計算システムについては装置のモデリングは完了している。関連論文についても今年度出版されている。
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今後の研究の推進方策 |
造影剤部分を抽出し物質割り当てを行い、線量計算システムの構築及び評価を行う。物質の割り当てを行った画像を線量計算装置に転送し線量計算をモンテカルロ計算で行う。対象はファントム画像及び臨床を想定し患者画像を使用し評価を行う。評価については既存の線量計算装置で計算した結果と比較も行う。この検討では造影剤部分の線量誤差、さらに臨床画像においては肉眼的腫瘍体積、臨床標的体積、計画的標的体積やリスク臓器となる脊髄や肺、肝臓の線量などを評価する。これらの結果から臨床的に及ぼす影響を考察し本法の有用性を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は国際学会参加費で他助成金等の支援もあり全額使用することがなく、さらに画像解析用コンピュータに関しても今年度は現在所有するコンピュータで解析が可能であったため購入せず、次年度の線量計算システム開発に合わせて購入することとした。
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