研究課題/領域番号 |
16K19233
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉留 郷志 九州大学, 大学病院, 診療放射線技師 (70419612)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 放射線治療技術学 / 適応放射線治療 |
研究実績の概要 |
研究代表者は先行研究において「3次元MV-CBCT画像内の腫瘍位置自動推定方法」を開発した.この成果については,” BioMed Research International” にて報告している.この提案手法を,現在広く普及している3次元kV-CBCT画像に適応することで,kV-CBCT画像内の腫瘍領域の自動推定し,その精度を解析・検証した.解析の結果,提案手法はkV-CBCT画像内の腫瘍領域を 2.0 mm 以内の精度で推定できることが示された.これらの成果を論文にまとめ,現在投稿を行っている段階である. 先行研究における提案手法はテンプレートマッチング技術を用いた腫瘍領域の探索であり,腫瘍の平行移動のみを考慮していた.しかし,生体内で腫瘍領域は平行移動だけではなく回転や変形を伴いながら移動する場合がある.また,放射線治療は比較的長期に渡って行う治療方法であり,治療中に腫瘍領域の形状自体が変化する可能性もある.そこで,腫瘍の回転性移動や形状変化に対応した腫瘍領域を推定するために,非線形レジストレーション技術を用いて提案手法を発展させることを検討し,必要な技術の習得と環境整備を行った. また,提案手法の対象を腫瘍だけでなくリスク臓器に拡張して適応することを検討した.しかし,リスク臓器は腫瘍よりも更に位置や形状などの変化が大きく,提案手法や非線形レジストレーションを用いて発展させた手法では,高い精度で推定することが難しいと判断した.そこで,機械学習アルゴリズムによる支援に基づいて提案手法を発展させることで,リスク臓器の領域自動推定を行うことを検討し,必要な技術の習得と環境整備を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
先行研究における提案手法をkV-CBCT画像に適応することで,kV-CBCT画像内の腫瘍領域を 2.0 mm 以内の精度で推定できることを示した.また,その成果を論文にまとめ投稿している状況である. 更に,腫瘍の平行移動のみではなく,回転性移動や形状変化に対応した腫瘍領域を推定するために非線形レジストレーション技術を用いて提案手法を発展させることを検討した.また,放射線治療の最適化のためには腫瘍領域のみではなくリスク臓器の領域情報も必要になるため,機械学習アルゴリズムによる支援に基づいて提案手法を発展させることを検討した.これらの発展させた手法を開発するために,非線形レジストレーション技術や機械学習アルゴリズムの習得を行うとともに,開発環境を整備した.
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今後の研究の推進方策 |
整備した開発環境において先行研究の提案手法を発展させ,その手法を用いた腫瘍領域およびリスク臓器領域の推定精度について解析・検討する.また,その結果を論文にまとめて報告する. 前述の手法はCTまたはCBCT画像に対して開発することを想定しているが,その手法を用いて,放射線治療計画時に作成された各輪郭情報をMRI・PET画像に適応する手法を検討・開発し,各画像内の腫瘍・リスク臓器領域を推定する.開発した複数の手法を組み合わせることで,マルチモダリティ画像の情報を持った画像データを作成することを目標とする.
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次年度使用額が生じた理由 |
申請時,3つの国内学会 (第111回日本医学物理学会学術大会,第112回日本医学物理学会学術大会,日本放射線腫瘍学会第29回学術大会) に出席を予定していたが,第112回日本医学物理学会学術大会に診療の都合上参加不能となったため.
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次年度使用額の使用計画 |
申請時,平成29年度は1つの国内学会 (第113回日本医学物理学会学術大会) に参加を予定していたが,日本放射線腫瘍学会第30回学術大会に参加し,演題発表等に努める.
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