本研究の目的は重症心身障がい児者(重症児者)にとっての最適な栄養法を確立することである。先行して行われた岐阜県の実態調査では障がい児者の約7割がなんらかの加工された食形態で摂取していたが、本研究の対象である在宅の重症児者の72%が加工された食形態で摂取していることが明らかになった。通常食のみを摂取している人で誤嚥による入院を経験した人はいなかった。一方、加工食のみを摂取している人の32%は誤嚥による入院を経験していた。また全体の18%は複数の形態の食事を摂取しており、この背景には胃瘻の有無や嚥下機能の違い、通学の有無など、様々な要因が推察された。
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