潜在性甲状腺機能障害と動脈硬化指標・無症候性脳血管障害との関連は、地域一般住民集団においては殆ど解明されていない。本研究では、滋賀県草津市の一般住民男性からの無作為抽出集団において甲状腺ホルモンTSH・FT4等を測定し、潜在性甲状腺機能障害の有病率、潜在性甲状腺機能障害と動脈硬化指標・無症候性脳血管障害との関連について横断的に検討することを目的とした。潜在性甲状腺機能低下および潜在性甲状腺機能亢進の有病率はそれぞれ9.5%、1.6%であった。潜在性甲状腺機能低下および亢進群どちらも、甲状腺機能正常群と比較して、動脈硬化指標・無症候性脳血管障害が有所見となるリスクと有意な関連を認めなかった。
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