研究課題
若手研究(B)
原発事故の影響により避難区域の自殺死亡率に変動が生じていることが想定されるが、検討はまだ十分ではない。今回、同地域内の自殺対策に資するため、自殺率の推移を検討した。2015年時点で避難区域に指定されている市町村の自殺率を、2009年3月から2015年12月までの期間で検討を行った。その結果、男性は、事故直後に上昇した後、約4年間全国水準を下回る状況であったが、その後上昇に転じた。女性は、事故直後の上昇は認めず、およそ2年間は全国と同水準であったが、その後上昇した。ただし、男女とも震災後4年経過した直近の期間で上昇傾向にあることから、今後、避難者への継続的な支援が求められることが示唆された。
精神保健