研究実績の概要 |
塩分摂取量と高血圧、心血管イベントとの関連は広く研究されているところである。我が国は世界でも最も塩分摂取量の多い国の1つであり、国を挙げて減塩に取り組んでいる。しかし、減塩という行動変容の特徴として、自身の塩分摂取量を把握することが困難であるという点が挙げられる。「減塩モニタ」は、自宅で自身の塩分摂取量を知ることができる簡易的な塩分摂取量測定器であるが、その減塩効果は十分検証されていない。本研究は、通常の減塩指導に「減塩モニタ」による塩分摂取量についてのセルフモニタリングを加えることで、より効果的な減塩につながるという仮説を検証することを目的とした。研究デザインはクラスターランダム化比較試験であり、福島県南部において一般市民158名を対象とした。介入群、コントロール群いずれも通常の減塩指導を受け、介入群では減塩モニタを使用した。介入群において、介入4週間後の1日塩分摂取量-0.50 g(95%信頼区間 -0.095, 0.05, P=0.030), 収縮期血圧 -4.4mmHg (95%信頼区間 -8.7, -0.1, P = 0.044)と有意な減塩および降圧効果を認めた。
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