研究課題
若手研究(B)
本研究は、楢葉町の住民の2016年度血清マグネシウムと血清鉄のデータと2018年度特定健診データを用い、血清マグネシウムと血清鉄レベルと2年後の生活習慣病の有病リスクの関連を検討した。血清マグネシウムの低値群、高値群の腎臓疾患の有病リスク、糖尿病の有病リスクは有意に低下した;血清鉄の低値群にくらべ、高値群の高血圧の有病リスク、糖尿病リスクは有意に下がることを判明した。
疫学
本研究の実施により、避難住民におけるバイオマーカー検査による血清マグネシウム、血清鉄値と生活習慣病の有病率の関連についての分析も行い、血清マグネシウム高値、血清鉄高値は生活習慣病予防につながる可能性があることを示した。本研究の結果は、福島県の避難住民の生活習慣病予防にのみならず、災害の多い日本において今後の被災地域の栄養不況と生活習慣病予防のための方策として寄与できる可能性が高いと考え、公衆衛生的意義が大きい。