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2016 年度 実施状況報告書

自殺予防に資するメタボローム解析による双極性障害の病相交代予測バイオマーカー探索

研究課題

研究課題/領域番号 16K19257
研究機関大阪市立大学

研究代表者

出口 裕彦  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (30721790)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード双極性障害 / 自殺予防 / メタボローム解析 / バイオマーカー
研究実績の概要

双極性障害(Bipolar Disorder:BP)は寛解状態、躁状態、うつ状態を反復する疾患であり、生涯有病率は1.0~1.5%とされる。BPは躁状態での気分の高揚、誇大性、意欲亢進等に伴う問題行動により、離婚、失業、借金、人間関係の破綻など多様な社会的問題を抱え、一方でうつ状態では抑うつ気分、意欲低下や認知機能障害により長期に日常生活や就労が困難となるなど、社会的機能の障害が極めて著しい。疾患により失われる年数(YLDs)についてWHOの統計では、男性は7位、女性は8位となっている。BP患者の自殺既遂率は一般人口に比べて高く、また自殺企図率はうつ病患者に比べて高いと報告されおり、生命予後という点でも重大な疾患である。
BP患者は約半分を寛解状態で経過するが、その他の病相期には約7割~9割がうつ状態で経過し、また、自殺企図はうつ状態で起こりやすい。BPは発症から適正な治療を受けるまでに平均で9.6 ± 9.7年を要すると報告されている。BP患者は躁状態では病識が乏しいため受診せずうつ状態で受診し、多くはうつ状態、うつ病の診断で治療開始となるが、うつ状態のみからBPを診断するのは難しく、BPは過小診断されている可能性がある。診断、治療の遅れは医療コストの増大に繋がり、就労という点においてBP患者では生産性の低下が大きく大きな社会的損失にも繋がる。よってうつ状態へ病相が交代することを予測し、早期介入ができれば自殺企図、自殺既遂、労働力や生産性の低下を防ぐことができる可能性がある。本研究では、血漿メタボローム解析を用いてBPの寛解状態からうつ状態に病相が交代することを予測できるうる、BP患者の病相交代予測バイオマーカーを探索し、開発することが目的である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

目標症例数の約1/3からの検体収集ができた。

今後の研究の推進方策

更に外来通院中で同意の得られた双極性障害患者からの検体収集に努める。

次年度使用額が生じた理由

バイオマーカー探索に係る費用を要するため

次年度使用額の使用計画

目標の症例数を達成すれば収集した検体を用いてバイオマーカー探索を行う

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Search for Plasma Biomarkers of Depression by Metabolome Analysis in an Animal Model and Clinical Samples2017

    • 著者名/発表者名
      Yuki Kageyama, Takaoki Kasahara, Takemichi Nakamura, Yasuhiko Deguchi, Munehide Tani, Kenji Kuroda, Kotaro Hattori, Sumiko Yoshida, Kenji Kuroda, Koki Inoue, Tadafumi Kato
    • 学会等名
      PCS International Conference of Neuroscience
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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