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2018 年度 実績報告書

自殺予防に資するメタボローム解析による双極性障害の病相交代予測バイオマーカー探索

研究課題

研究課題/領域番号 16K19257
研究機関大阪市立大学

研究代表者

出口 裕彦  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (30721790)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード双極性障害 / 自殺予防 / メタボローム解析 / バイオマーカー
研究実績の概要

双極性障害(Bipolar Disorder、以後、BD)は、躁状態では気分の高揚、誇大性、意欲亢進等に伴う問題行動により離婚、失業、借金、人間関係の破綻など多様な問題を抱え、うつ状態では抑うつ気分、意欲低下や認知機能障害により長期に日常生活や就労が困難となるなど、社会的機能の障害が著しい疾患である。適切な早期診断や治療導入は患者自身、家族のみならず社会的にも非常に重要であるが、うつ状態のみから早期にうつ病とBDを鑑別診断することは難しい。本研究の目的は、血漿メタボローム解析を用いてBDにおけるバイオマーカーを探索し、発見することである。

(1)うつ病患者、BD患者および健常者のヒト血漿においてメタボローム解析を行い、網羅的に代謝産物を測定、比較した。内服治療を受けていない対象群、内服治療を受けている対象群ともに、うつ病患者では血漿ネルボン酸濃度が健常者、BD患者と比較して高値であった。さらに副次的解析を行い、うつ病患者のうつ状態では、うつ病患者の寛解状態とBD患者のうつ状態に比べて血漿ネルボン酸濃度が高かった。
(2)うつ病患者、BD患者および健常者のヒト血漿を用いて、血漿中のミトコンドリアDNA濃度とサイトカインを測定した。うつ病患者では、ミトコンドリアDNA濃度とIL-4、IL-2、GM-CSFに正の相関を示し、IL-4については別の方法でも測定し、正の相関を確認した。血漿中のミトコンドリアDNAの濃度は、健常者に比べうつ病患者、BD患者では、有意に低い値を示した。
(3)BD患者において、同一人物10名から寛解状態およびうつ状態に2度採血を行い、10セットのペア検体を用いてメタボローム解析を行った。状態間での代謝産物を網羅的に解析、比較した結果、うつ状態、寛解状態、健常群を比較して有意な代謝産物は認められなかった。今後、更に症例を増やして検討する必要があると考える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 血漿代謝産物を利用した気分障害のバイオマーカー2018

    • 著者名/発表者名
      影山祐紀、笠原和起、中村健道、服部功太郎、出口裕彦、 谷宗英、黒田健治、吉田寿美子、後藤 雄一、井上幸紀、加藤忠史
    • 学会等名
      第40回日本生物学的精神医学会

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公開日: 2019-12-27  

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