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2017 年度 実施状況報告書

携帯メールを利用した胆道閉鎖症の便色スクリーニングシステムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 16K19260
研究機関順天堂大学

研究代表者

済陽 寛子  順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (60589539)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード胆道閉鎖症 / スクリーニング / 便色 / 写真判定
研究実績の概要

これまで180名を対象に本法を施行したところ120件の写真をメールで受け付けた。オムツとカードを並べて写真を撮影するように指示し、母が一番近いと認識した番号もメールに記載するように指示した。医師が写真で判定を行い、本法の有用性を評価した。期間中に該当施設で出生した児に本症はみられず、対象者には胆道閉鎖症または胆道関連の診断はなかった。カードを併用することで判定を容易にし、判定者の主観による誤差を抑えることができると考えられたが母と判定者間、または判定者間でも差が生じる例が散見され、(母と判定者2人で)完全に一致したものは半数程度であった。
カラーカードは2012年より母子手帳とともに全国配布されており、本法によるスクリーニングの手段は利便性と費用対効果が高いとされる。一方、胆道閉鎖症は本邦において1万人に1人という発生頻度であり、すべての新生児に対して医師が便色判定を行うという点において本法は費用が生じることが課題と考えられる。
カードのスケール番号を用いることで客観的に評価できると考えたが、判定番号を比較したところ母と医師間、また医師間でも判定に相違が生じていた。
本来便色は色のむらもあり日々変化するため、またカラーカードにおいては1か月健診時において感度が80%、特異度は99.9%といわれており、便色のみでの胆道閉鎖症の発見には限界がある。
しかしながら本研究は便色を評価する方法に利便性と客観性を加えた点、さらには母親への啓発において有用と考えられた。早期診断に難渋する胆道閉鎖症において本研究はスクリーニング法の検討に有意義であると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

出生時に基礎疾患を要する児等を除外しており検体収集が目的に到達していない。疾患の発生頻度が低いため対象者の中では本症を認めていないため、有効性の評価においては検討を要する。

今後の研究の推進方策

収集したデータの解析を行い、早期発見と見逃しの抑制を目的としたスクリーニング法について検討し論文作成を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

研究に関わる作業を分担するため人件費を計上したが、適当な人員の確保が困難であった。目的症例数に達しないため研究期間を延長した。次年度は得られたデータの解析、学会発表と論文作成を行っていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 携帯メールを用いた便色判定法の効果と課題2017

    • 著者名/発表者名
      濟陽 寛子
    • 学会等名
      第54回 日本胆道閉鎖症研究会
  • [学会発表] Stool Color Screening for Biliary Atresia Using Cell-phone Photography: A Pilot Study2017

    • 著者名/発表者名
      Hiroko Watayo
    • 学会等名
      The Pacific Association of Pediatric Surgeons 50th Annual Scientific Meeting
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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