研究課題/領域番号 |
16K19261
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
小林 大輝 聖路加国際大学, 聖路加国際病院, 医幹 (30769617)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ノロウイルス / 不顕性感染 |
研究実績の概要 |
本研究は、人間ドック受診者を対象とした、健常成人におけるノロウイルスの不顕性感染を大規模に調査したものである。本研究の目的として、不顕性感染の記述統計を得るのみにとどまらず、人間ドックの結果と合わせることで各種疾患・既往歴や検査値との関連性を見ることができる。 2016年度から2017年度の2年にわたる研究であり、2016年度終了時点で1000検体を超える検体回収及び一部の解析を終了している。現時点でのノロウイルス陽性率はおおよそ5%程度であり、これは過去の小規模研究の同季節における率と同等程度である。ノロウイルスの遺伝子型としては、顕性感染の場合一般的にGII型が多い状況であるが、不顕性感染ではGI型も比較的多く認められた。現時点での大よその割合はGI:GII=4:6程度である。また、中にはGI及びGIIの両方の遺伝子型で陽性となるものもあった。混合感染は、顕性感染では比較的まれな状態であり、不顕性感染で現れたことを考えると新たな発見ということができる。なお、陽性例に関しては複数回のポリメラーゼ連鎖反応を行い、陽性の再確認を行っている。 各種既往歴、現病歴や検査値との関連性においては、検体回収を通年で終了した時点で行う予定である。 研究進行状況はおおむね良好であり、次年度中にはおおよそ4000検体程度の回収見込みである。ポリメラーゼ連鎖反応によるウイルスの存在確認のみならず、統計学的な解析も次年度で終了予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
検体回収を開始するまでの手順にやや時間を要したが、その後は順調に経過している。当初の2か年にわたる間に研究終了見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
検体収集を引き続き行う予定である。通年での検体収集であるため、終了時点ですべてのデータの解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
検体回収開始が遅れたため、検体の解析に充てる人件費の使用開始が遅れたことによるものである。
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次年度使用額の使用計画 |
使用開始が遅れたものの、検体回収は通年で行う予定であるため今後過不足なくすべて使用する予定である。
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