研究課題
加齢による筋量の減少は上肢筋に比べ下肢筋において大きいという報告から、筋量は部位により不均一な減少が起こっていることが推察される。これより、筋量が骨折に与える影響として、単に全体の筋量が重要な要因というわけではなく、筋量の分布も重要な要因となると仮説を立てた。そこで本研究の目的を、地域在住日本人女性において、筋量の分布は全筋量と独立して骨折リスクを上げるかどうかを明らかにすることとした。本研究は、Japanese Population-based Osteoporosis (JPOS) Cohort Studyの15年次調査をBaseline、20年次調査をFollow-upとして行い、これまでの集積データを活用すると共に20年次調査で本研究に必要な情報を収集した。本研究の対象地域の内、福島県西会津町と新潟県上越市の2地域は平成28年度に完遂しており、受診者は西会津町281人、上越市313人で、受診率はそれぞれ68.0%と68.8%であった。平成29年度では、平成28年度に起きた自然災害のため延期していた北海道芽室町の調査を実行した。芽室町調査の受診者は261名であり、受診率は68.3%であった。全身及び各部位の筋量測定は、Hologic社製QDR4500A車載型を用いて、二重エネルギーX線吸収法で全身スキャンを行い、解析ソフトウェアAPEX Ver2.3で全身、頭部、体幹、上肢、下肢等を測定した。筋量分布指標は、上肢筋量/下肢筋量、上肢筋量/全身筋量、下肢筋量/全身筋量等とした。新規椎体骨折の発生ならびに基本特性等の交絡要因については、JPOS Cohort Study 20年次調査本体から提供された。現在、芽室町調査で得たデータに西会津町と上越市のデータを加えたデータベースを構築し、詳細な解析を行っている。
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Journal of Clinical Densitometry
巻: 20 ページ: 58~65
10.1016/j.jocd.2016.04.004
Journal of Bone and Mineral Metabolism
巻: - ページ: -
10.1007/s00774-017-0895-7
http://www.med.kindai.ac.jp/pubheal/jpos/index.html