感染症発生動向調査は法的根拠に基づくサーベイランス事業である。国内の感染症対策の基盤となる情報を収集しており、分析及び情報提供は法的にも規定され、公衆衛生上極めて重要である。一方でサーベイランスデータは、医療体制の変化や受診行動の変化等の影響を受けることが知られており、その解釈には注意を要する。本研究においては、感染症発生状況を容易に把握できるともに、バイアス等による誤った解釈を防ぐための必要な情報を整理し、関連付けて表示する機能を実装した可視化システムの開発を行った。感染症サーベイランスデータの迅速かつより適切な解釈により、感染症流行時の迅速な対応と蔓延防止に寄与することが期待される。
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