本研究では、関西地方の医療機関に勤務する職員約2,660名を対象として前向きコホート研究を行い、職場の非尊重度を測定する日本語版尺度の信頼性・妥当性を検証した後、職場の非尊重度と精神的健康・身体愁訴、及び医療事故(インシデント・アクシデント)との関連を明らかにした。その結果、職場の非尊重度はイライラ感・疲労感・不安感・抑うつ感・身体愁訴と有意に関連していた他、医療事故とも有意な関連を示しており、その関連は性・年齢・労働時間・睡眠時間を調整した上でも変わらなかった。このことから、労働者の心身の不調や作業事故を防止するためには、職場の非尊重度を考慮する必要があると言える。
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