研究課題/領域番号 |
16K19286
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
清水 さやか 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (70761576)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | セルフケア / 行動変容 |
研究実績の概要 |
慢性疾患管理においては、医師による治療のみでなく患者のセルフケアが重要であり、セルフケアに関する行動変容をもたらすための確立された理論に基づいた、個々にテイラリングしたフィードバックを継続的に行うことが有効と思われる。本研究では、セルフケアを要する代表的な慢性疾患である末期腎不全を有する患者を対象とし、健康行動の理論に基いた、テイラリングされたフィードバックを半自動的に行うシステムを確立し、その効果を検証する。 H28年度の施設調査、システムのパイロット運用にて、施設間のデータのばらつきの実態が明らかになった。また、フィードバックの質と継続性を保つ目的において、システム運用の負荷をさらに軽減するニーズが判明した。そのため、H29年度は当初の予定を見直し、フィールドとなる透析施設の更なるリクルートを行い、施設におけるデータの調査と運用に関するヒアリングを行い、システムの仕様と運用方法の改善を行なった。運用方法については、多職種を対象としたヒアリングを行い、施設が自発的にシステムを運用するようになるようなメリットの考案を行った。 また、フィードバックに対して評価すべき患者アウトカムの見直しを行い、患者報告型アウトカムとしてQuality of lifeを新たに設定し、調査票の作成を行った。 並行してパイロット運用中の施設にてシステムの検証を行うため、システムから得られたデータベースの解析を実施し、成果につき学会発表(2件)を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
基盤となるシステムについて、平成28年度の調査にて明らかになった施設間のデータのばらつきに対応し汎用性の高いものとするため、本年度は、対象となる透析施設の拡大とフィールド調査とシステムの見直しを中心に行った。本工程は当初の計画に設定していなかったため、H29年度の事業計画予定を後ろ倒しとした。システムの仕様見直しは、H30年3月末に完了した。
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今後の研究の推進方策 |
システムの見直しに伴う工程に時間を要しているため、システムの改修については、一旦現状で留め、フィードバック内容の作成に注力する。合わせて、フィールドに関しては、H29年中に得られた知見をもとに、システムと運用の改善を図り、より円滑に施設へのシステム導入を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)H29年度の予定を見直し、対象となる透析施設の拡大、フィールド調査とシステムの見直しを優先して行ったため、支出予定であった、エキスパートパネル・調査に関わる人件費等の支出を行わなかった。 (使用計画)上記の差額については、時期は遅れるが、次年度において、当初の目的通りに支出予定である。
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