研究課題/領域番号 |
16K19290
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
村上 玄樹 産業医科大学, 大学病院, 講師 (50549756)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | レジリエントエンジニアリング / 医療安全 / 人間工学 |
研究実績の概要 |
当初、研究対象先として熊本県内の医療施設を想定し確認を取っていたが、震災の影響を受け、急きょ研究対象先を変更することとなった。現在、研究の内容及び過去の実績を踏まえて説明を行い、研究対象先としての内諾を得ることができる施設を複数リストアップし、最終的なアンケートフォーム等の確認、摺合せを行っている。当初の予定と比較して、半年程遅れが出ているが、十分遅れを取り戻すことは可能な状況であり、当初の計画通り進めることとしている。 アンケート作成のためのパイロットとして、先行研究、院内における警鐘事例の検討を行った。現在の業務に対する認識によりエラーの発生率が異なることは従来から言われており、特にタイムプレッシャーなどが広く研究されていた。しかし、レジリエントエンジニアリングにおいては、Functional Resonance Analysis Method(FRAM)という分析を実施し、各業務のフローによる分析を行っている。さらに、業務フロー中の各タスクに対し、通常の業務フロー分析でも用いる「入力」、「出力」以外に、「時間」、「制御」、「前提条件」、「資源」6軸で評価を行い、各タスクに対する潜在的なリスクを評価し分析している。 本研究においても、レジリエンスコンピテンシーとしてこのような業務の全体像を俯瞰できる能力を重視すべきと考え、各人のコンピテンスを計測するための質問票については、当該項目についても含めることを検討し、可能であれば、研究協力施設の実際の業務を対象に、フロー分析を含めて追加的な検証を行えるように、現在交渉中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、研究対象先として熊本県内の医療施設を想定し確認を取っていたが、震災の影響を受け、急きょ研究対象先を変更することとなった。現在、研究の内容及び過去の実績を踏まえて説明を行い、研究対象先としての内諾を得ることができる施設を複数リストアップし、最終的なアンケートフォーム等の確認、摺合せを行っている。 当初の予定と比較して、半年程遅れが出ているが、十分遅れを取り戻すことは可能な状況であり、当初の計画通り進めることとしている。
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今後の研究の推進方策 |
最終的に使用するアンケートフォームが固まり次第、研究の倫理審査を受審し、正式に調査を開始する予定としている。 同時並行的に、レジリエントエンジニアリングの医療施設での適応事例などの調査を行い、実際に医療界においてレジリエンスの概念が活用されている状況を確認し、レジリエンスがうまく聞いた事例と聞かなかった事例での違いなどの分析も行うことを追加している。 本研究においても、レジリエンスコンピテンシーとしてこのような業務の全体像を俯瞰できる能力を重視すべきと考え、各人のコンピテンスを計測するための質問票については、当該項目についても含めることを検討し、可能であれば、研究協力施設の実際の業務を対象に、フロー分析を含めて追加的な検証を行えるように、現在交渉中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた研究協力先が、熊本震災の影響で日常診療の縮小や復興に向けての業務が発生し、研究に享禄できなくなってしまったために、研究協力先を再検討していた。そのために、アンケートの印刷等の準備分の費用が初年度に使用することができなくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
現在、代替の研究協力先と打ち合わせを行っており、予定通りのアンケートの実施が可能となる見込みである。そのために、当初予算は変わりなく執行できる予定である。
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