初めに、同一剖検例の心臓凍結組織とホルマリン固定(FFPE)組織のシーケンス定量結果を比較した。FFPE組織では主に3'末端側から断片化が進行し、とくにGC含有が40%未満のmiRNAは検出リード数が減少した。よってFFPE組織では信頼性のある定量結果が得られないと判断した。次に解析対象と致死性心肥大として、凍結組織を用いて肉眼的にサンプリングが可能な左室作業心筋の解析を行った。心肥大を伴う心臓性突然死(SCH)、生理的心肥大(CCH)、心肥大のない健常例を比較すると、SCHとCCHでmiR-221が段階的に増加しており、miR-221が心肥大患者の突然死リスクマーカーとなる可能性が示された。
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