複数人分のDNAが混入している「混合試料」の分析は,法医学領域における重要な課題のひとつであるが,各個人のDNA型を分離する技術的な方法は未だ確立されていない.そこで,次世代シーケンサー(NGS)を用いたミトコンドリア(mt)DNA解析を行い,1分子毎のDNA鎖(リード)の塩基配列の違いを比較することで複数人のDNA型の分離を試みた.増幅産物を350 bp程度にしてNGS解析したところ,HV1,HV2ともに増幅領域全体を1本のリードで検出することができた.得られたリード上には複数の塩基多型が確認され,その組み合わせからは異なるmtDNA型のパターンが区別でき,2名分のDNA型と判断できた.
|