血液・悪性疾患患者における出血性膀胱炎は難治性で重篤化することが知られているが、猪苓湯漢方エキス製剤によりアルキル化剤誘発性あるいは造血細胞移植後BKウイルス・アデノウイルス感染に起因する肉眼的血尿が止血するまでの期間を小児血液・腫瘍患者において有意に短縮する。猪苓湯の作用機序は画像所見の変化から膀胱ならびに膀胱周囲組織の炎症の低下が推定され、漢方医学的にも投与は妥当であり尿路系炎症の低下を支持する所見であった。以上の知見から出血性膀胱炎治療モデル動物を作成して猪苓湯の作用機序の検討を行ったが、このモデルでは膀胱出血に対する止血効果を証明することができず、作用機序のさらなる研究が行えなかった。
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