研究課題/領域番号 |
16K19318
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
小森 孝洋 自治医科大学, 医学部, 講師 (80406107)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 心不全 / 認知機能 |
研究実績の概要 |
高齢化社会が進む現在において、高齢心疾患患者は増加の一途をたどっている。高齢心不全患者への対応は、従来の心不全予後を規定する新機能や神経液性因子以外にも、高齢者特有の虚弱の病態が大きく関与する可能性があるが、それらの因果関係は不明な点が多い。本研究では、まず高齢心不全患者の身体的・精神認知的虚弱状態の関与を評価するために、骨格筋や脳の状態、神経液性因子の面から検討し、高齢者に特化した心不全評価を確立する。さらに、運動療法による虚弱への介入を行うことで、多元的な要因にて規定される高齢心不全患者の予後改善のための運動療法の意義・方法を確立する。 診療業務の多忙により研究実施の進捗がやや遅延しているものの、現在当院へ入院した心不全患者に身体的評価および認知機能評価を行い、入院中に心臓リハビリテーションを行っている。順次患者登録を進めているが、患者ごとの事情により通院型心臓リハビリテーションに通えない者が多く、プロトコール通りに研究が進行していない状況であり、自宅での非監視型運動療法に変更せざるを得なかった。通院型心臓リハビリテーションに通えない原因としては、地理的・交通の問題、通院心臓リハビリテーションを行えないほどの身体機能の低下が挙げられる。現在、そのような患者も含めて35名を登録したが、解析を行うには患者数が十分でなく、今後も引き続き患者登録およびデータの収集、経過観察を継続していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画が当院倫理委員会への承認されるまで約半年要し、研究開始が遅延した。 平成30年年5月2日現在、35名の患者を登録した。しかし、計画では通院型心臓リハビリテーションを行う予定であったものの、患者ごとの事情により通院型心臓リハビリテーションを行えない者が大半であり、自宅での非監視型運動療法に変更せざるを得なかった。認知機能・身体機能が低下しすぎ、組み入れに適さない患者が多く、患者登録が十分進んでいない。頭部MRIは当院の検査枠が少ないために、全例に実施できていない。体組成計での筋肉量評価も、測定部門の人員不足により実施できなくなっている。平成30年度も患者登録およびデータ収集、経過観察を継続していく。
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今後の研究の推進方策 |
通院型心臓リハビリテーションが実施困難であるため、退院前に運動処方を行い、自宅で運動を行う非監視型運動療法も可とする。この場合、患者に運動記録をつけてもらい、介入期間に非監視型運動療法が十分実施できているか判断できるようにする。頭部MRIについては、退院後1か月以内に外来で実施することも可とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画が当院倫理委員会への承認されるまで約半年要し、研究開始が遅延した。平成30年年5月2日現在、35名の患者を登録した。しかし、計画では通院型心臓リハビリテーションを行う予定であったものの、患者ごとの事情により通院型心臓リハビリテーションを行えない者が大半であり、自宅での非監視型運動療法に変更せざるを得なかった。頭部MRIは検査枠が少ないために全例に実施できていない。平成30年度も患者登録およびデータ収集、経過観察を継続する。頭部MRIは退院1か月以内に外来での施行も可とする。 平成30年度は、検査費用のほかに研究補助員の人件費、研究における情報収集のための学会参加費や旅費に研究費を使用する予定である。
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