本研究では、高齢心不全患者の身体的・精神認知的虚弱状態の関連因子を骨格筋、脳、神経液性因子、血行動態の面から評価した。急性心不全で入院した患者73名を登録し、24時間血圧測定、頭部MRI、認知機能検査が実施できた患者28名に対して横断解析を行った。夜間の血圧が低下しにくいNon-dipper型血圧変動を呈する患者においては、頭部MRIで認められる深部白質病変の容積が夜間血圧低下が正常であるDipper型の患者に比べて有意に高値であった(1.31±1.28 ml vs 0.55±0.58 ml, p=0.04)。運動療法での介入は患者の通院困難により十分実施できなかった。
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