研究課題/領域番号 |
16K19324
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中井 正人 北海道大学, 大学病院, 助教 (40756003)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | DNAセンサー |
研究実績の概要 |
種々の肝細胞株(HuH1、HuH6、HuH7およびその派生細胞、HLE、HLF)およびHEK293などからTotal RNAを抽出し、RT-PCRを行いcDNA合成を行った後、定量PCR法にて各種DNAセンサー分子(DDX41、MAVS、STING、cGUS、DAIなど)の発現を評価した。また、各種肝細胞株に対してTransient transfectionを行うためのsiRNAを設計した。 前年度にHepG2.2.15.7細胞株の上清を濃縮、フィルトレーション、23%NACLおよび50%PEG8000を用いた沈殿法にて作成した感染実験用のHBVウイルス濃縮液を用いて、HBV感染許容細胞株であるNTCP-HepG2-C4細胞へ感染実験を行い、14日継代し細胞を回収後、HBV-DNAおよびHBV-RNAを定量PCRで測定し、感染性を確認した。しかし、感染性が十分でないため、実験効率上昇のため、培養細胞の変更、実験条件の再考などを行い、HBV感染効率の改善を図った。 また、恒常的なDNAセンサー分子をノックダウンした細胞株の作成のため、DDX41に対するshRNAを含むレンチウイルスを作成し、レンチウイルスのタイトレーションチェックを行った後、HepG2細胞、NTCP-Hep-G2-C4細胞に対して感染を行い、恒常的なDDX41ノックダウン細胞株を樹立した。これを複数回継代し安定させた後、同細胞株において、DDX41の発現レベルがコントロールと比較して低下していることを確認した。同恒常的DDX41ノックダウン細胞株に対して、上記で作成した、HBVウイルスの感染実験を施行し、HBV感染状態がコントロールと比較して異なる結果を単回の実験であるが得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
恒常的ノックアウト細胞の安定に時間を要したため。 また、HBVウイルスの感染タイターが不十分であり、感染性の高いHBVウイルス作成に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
DDX41以外の恒常的なDNAセンサー分子のノックアウト細胞、恒常発現細胞株の安定樹立を行う。これら細胞株に対してHBV感染実験を行う。 また、感染実験を複数回行い検証し、他の恒常的なDNAセンサー分子のノックアウト細胞や、発現細胞株への感染実験を行う。 また、既知のDNAセンサーとして機能する候補分子(DDX41やMAVSなど)に関して、HBV-DNA認識に関わるか否か、遺伝子、蛋白の変動について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)当初よりも実験計画の進行が遅れているため、必要な物品購入が遅くなっている。 (使用計画)実験進行に応じて、必要な物品購入を行うとともに、今後の実験の円滑な進行のために学会などにて情報収集を行う。
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