高血圧・肥満・糖尿病を呈するラットを用いて、レニン-アンギオテンシン系(RAS)の促進を特徴とし、ヒトのメタボリック症候群を反映するモデル動物を新規に作製した。本モデルはヒトNASH類似の肝組織像を呈するほか、高脂肪食・四塩化炭素により肝線維化および肝前癌病変が発生することが確認された。本モデルに対する緑茶カテキンの投与により、肝線維化および肝前癌病変発生が抑制され、肝におけるRASシグナルの抑制がみられたほか、酸化ストレスマーカーが低値となった。すなわち、RASおよび酸化ストレスの制御が、メタボリック症候群に関連する肝線維化・肝発癌の抑制に繋がることが示唆された。
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