研究課題/領域番号 |
16K19336
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
白上 洋平 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50632816)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 脂肪肝 / レチノイド / NAFLD / 耐糖能 / 肥満 |
研究実績の概要 |
現在、レチノイドX受容体(RXR)シグナルをdominant negative に阻害する蛋白(リン酸化 RXRα)を発現するトランスジェニックマウスの表現型解析をすすめている。対照群(リン酸化蛋白非発現群)との比較において、体重変化や飲水・摂食量には有意な差を認めなかった。また、比較的短期間(離乳後4週間)の観察では、当初予想されていた肥満傾向や糖代謝異常、脂肪肝形成がみられなかった。 そのため、高脂肪食およびグルタミン酸ナトリウム誘発性の肥満モデルを作製し、比較検討した。グルタミン酸ナトリウム誘発性肥満モデルにおいて、インスリン負荷試験および肝組織所見に有意な差は認めなかったが、グルコース負荷試験の結果からリン酸化 RXRα発現群において耐糖能が低下している傾向がみられた。高脂肪食給餌によっても同様に、耐糖能異常が確認されたほか、非常に興味深いことに、対照群と比較して有意な体重減少がみられたため「lipoatrophic diabetes」の病態が想定された。 これらのことより、RXRシグナル阻害は脂肪肝形成については影響を与えないが、耐糖能異常を引き起こす、すなわちRXRシグナルは糖代謝において重要な役割を担う可能性が示された。 同時に行っているレチノイン酸受容体(RAR)シグナルをdominant negative に阻害する蛋白(dnRAR)を発現するトランスジェニックマウスの解析では、対照群に比し、早期からの体重増加が確認された。さらに、病理組織にて比較的早期からの脂肪肝形成も認めている。これらのことより、脂肪肝形成に関してはRARシグナルが非常に重要な役割を担っていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リン酸化 RXRα発現マウスおよびdnRAR 発現マウスの表現型解析が順調に行われている。また、細胞実験の準備も順調にすすめられている。
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今後の研究の推進方策 |
表現型解析については、比較的長期の観察を行い肥満・脂肪肝形成のみならず糖代謝も含めて解析をすすめていく。また、肥満に関連する各種アディポカイン、および酸化ストレスについても比較を行い、病態に及ぼす影響を調べる。さらに、細胞実験を開始し、様々な薬剤(RXRおよびRARのagonist/antagonist)による影響を検討し、in vivo の実験へ応用可能な薬剤の絞り込みを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、特に細胞実験に関しては準備段階であり、来年度における詳細な実験のために費用が増加することが予想される。そのため、次年度への繰り越しが生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
主な支出は実験動物の管理と試薬の購入が考えられる。 その他、研究成果発表のため、国内外での学会参加旅費に充てられる。
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