膵前癌病変と考えられている腫瘍性嚢胞は、正しく診断し慎重に経過観察することが早期膵癌発見のために重要とされているが、一般的に使用されている画像診断方法を用いても腫瘍性嚢胞を良性嚢胞と正しく鑑別することは容易ではない。機能性RNAの一種であるmicroRNA(miRNA)は、細胞が分泌するendosome由来の小胞顆粒であるexosome中に主に存在しており、細胞間の情報伝達物質と考えられている。様々な臓器の悪性腫瘍においてmiRNAが癌の存在診断や悪性度、予後に関連する重要なバイオマーカーとなることが期待されており、今回は膵嚢胞液中miRNAの腫瘍性嚢胞診断における有用性について検討を行った。
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