本研究では、血液メタボロミクスによる膵疾患のスクリーニングシステムおよび膵液メタボロミクスを加えることによる膵疾患悪性度評価システムを構築することを目的とした。膵がん54例と健常対照58例の血清を解析すると、11成分に有意差がみられ、HistidineとXylitolを組み合わせた回帰モデルは、ステージ2までの膵がんに対する感度が70.4%で、CA19-9より優れていた。別の独立した膵がん16例と健常者16例の血漿で検証したところ、CA19-9と海合わせると感度81.3%、特異度93.8%であり、特に切除可能膵がんに限定したところ、感度は100%であり、有用性が強く示唆される結果であった。
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