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2016 年度 実施状況報告書

非侵襲的核酸変異解析技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K19345
研究機関岡山大学

研究代表者

衣笠 秀明  岡山大学, 医学部, 客員研究員 (70774800)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード胆嚢癌 / Liquid biopsy / 胆汁 / ctDNA
研究実績の概要

胆嚢癌は早期の状態では症状が出現しにくく、また解剖学的観点から腫瘍組織を得難いことから、診断が遅くなり結果として予後が悪い。これらの問題点を克服するために、我々は非侵襲的診断法として胆汁circulating tumor DNA(ctDNA)に着目したliquid biopsyという新たな手法を開発した。
胆嚢癌23症例のうち、16症例の胆嚢癌組織DNAと18症例の胆汁ctDNAを解析した。解析には次世代シークエンサー(Illumina, San Diego, CA, USA)とCancer panel(Haloplex, Agilent Technology)を用いた。コントロールとして20症例の胆嚢非癌組織と18症例の健常者(非癌)の胆汁を使用した。
年齢中央値は77歳(44-90)、男女比は7/16、ステージⅠ/Ⅱ/Ⅲ/Ⅳは4/3/5/11症例であった。胆嚢癌組織DNAにおいて、16症例中8症例(50%)で変異陽性であった。TP53、MET、SMAD4、CTNNB1、ARがそれぞれ4症例(25%)、1症例(6.3%)、1症例(6.3%)、1症例(6.3%)、1症例(6.3%)であった。今回の研究では胆嚢癌23症例のうち、胆嚢癌組織と胆汁ともにそろっている症例は11症例(47.8%)であった。この11症例のうち6症例(54.5%)が胆嚢癌組織DNA変異陽性であった。これら6症例に関しては4症例(66.7%)で胆汁ctDNAで同様の変異(TP53が3症例(50%)、ERBB2/3が1症例(16.7%))が確認された。一方で、残りの胆嚢癌組織DNA変異陰性5症例の胆汁ctDNAはすべて変異陰性であった。また、胆汁のみに着目した場合、18症例のうち9症例(50%)で胆汁ctDNA変異陽性であった。TP53、ERBB2/3、KRASが7症例(38.8%)、1症例(5.6%)、1症例(5.6%)であった。胆汁ctDNA変異の解析は感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率それぞれ50%、100%、100%、67%であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当施設において次世代シークエンサー等を管理している部署の移転に伴い、予定より3ヶ月程度解析が遅れているが、おおむね順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

胆嚢癌追加症例の解析を予定している。また、コントロールとして胆嚢癌症例以外の解析も同時に行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

学会旅費の支出が予定よりも抑えられたため。

次年度使用額の使用計画

Cancer panelや試薬等への支出を予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] New Insight of Liquid Biopsy With Bile Juice in Patients With Gallbladder Cancer2016

    • 著者名/発表者名
      Hideaki Kinugasa, Kazuyuki Matsumoto, Soichiro Ako, Koichiro Tsutsumi, Hironari Kato, Kazuhiro Nouso, Hiroyuki Okada
    • 学会等名
      DDW
    • 発表場所
      San Diego
    • 年月日
      2016-05-21 – 2016-05-24
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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