研究課題
本研究においてはまず、消化管がん転移に寄与するnoncoding RNAをThe Cancer Geneme Atlas(TCGA)データによるスクリーニングを試みた。TCGAの大腸がんの遺伝子発現データであるCOADREAD exonexpressionを用いて正常大腸より発現が高く、リンパ節転移陽性群で転移陰性群より発現が高いnoncoding RNAのexonを抽出したところ、有意な156 exonが抽出された。その中から複数のexonが存在していた21のnoncoding RNAを解析の対象とした。選択したnoncoding RNAの発現を大腸がん細胞株SW480とそのリンパ節転移より樹立されたSW620正常大腸において解析したところLOC441178とDNAJC3-AS1が正常よりSW480で高く、SW620でさらに発現が上昇しているnoncoding RNA候補として抽出された。その他大腸がん全体で正常より発現が上昇しているnoncoding RNAとしてDUXAP8, DUXAP10が抽出された。大腸癌細胞株を用いてレンチウイルスベクターによりDUXAP10をノックダウンしたところ細胞増殖を有意に抑制し、スクラッチアッセイでは遊走能の抑制が認められた。以上より消化管がん特に大腸がん転移に関与する可能性のあるnoncoding RNAを抽出することができた。cell viability assayならびにwound healing assayの機能解析の結果からDUXAP10は大腸癌において増殖、遊走能に関与するlncRNAと考えられた。DUXAP10については臨床検体での解析やエピゲノム解析中である。DNAJC3AS1などのlncRNAについては順次ノックダウン・過剰発現系による機能解析を行っているところである。
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