直腸細動脈mural cells(血管平滑筋や周皮細胞)は周期的かつ同期的な自発細胞内Ca2+上昇を示した。小胞体からの自発Ca2+放出に続くCa2+活性化Cl-チャネルを介したCl-流出(=脱分極)は、ギャップ結合でつながる近隣のmural cellsを脱分極させて電気的に同期させると考えられた。続くT型およびL型電位依存性Ca2+チャネルからのCa2+流入により細胞間で同期した自発Ca2+上昇が生じた。T型とL型Ca2+チャネルは、それぞれ自発Ca2+上昇の頻度と持続時間も増加させた。自発Ca2+上昇に基づく細動脈自発収縮は、直腸壁が糞塊で伸展される際の虚血リスクを低下させると推察された。
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