胆汁酸の肝細胞への作用はよく知られているが、肝星細胞(HSC)を含めた非実質細胞への影響についてはあまり知られていない。我々は胆汁酸の1種であるリトコール酸(LCA)をヒト初代培養肝星細胞(HHStec)に添加するとHHStecの形態変化とHSCの活性化抑制を示す遺伝子変化を認めることを発見した。HHStecへの既知の胆汁酸受容体作動薬添加ではLCA添加時と同じ遺伝子変化を起こさず、b-RafやMAPKファミリーのリン酸化を認めたことから、LCAがHSCに影響を及ぼす新たな分子機序の一部が判明したと考える。
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