研究実績の概要 |
DNMT1阻害剤である5-aza-2'-deoxycytidine (5-azadC)で処理を行ったヒト活性化肝星細胞株より分離したGenome DNAをBisulfite 反応によりconversion した後にIllumina Infinium HumanMethylation450K BeadChip array (Illumina 社)を用いて網羅的なCpG islandsの同定を行った。TGFβ, NF-κB, CyclinDなどの制御の関連するCpG lociは低メチル化状態を呈しており、既報でも示されている通り、RASAL1の脱メチル化が顕著に認められた。RASAL1のメチル化は肝線維化の持続化に関連しており、5-azadCによる肝線維化抑制にRASAL1の脱メチル化が関与している可能性が考えられた。 また、5-azadC処理により活性化肝星細胞におけるPTENの発現が上昇しており、これが活性化肝星細胞におけるERKやPI3K/AKTシグナルを抑制することで肝星細胞のviabilityを抑えていることが明らかとなった。さらにこの5-azadCによるPTENの発現上昇はsiRNAによりDNMT1をknockdownすると認められず、DNMT1による制御が確認できた。 さらに、現在マウス肝組織における網羅的メチル化解析を行っており肝星細胞以外の微小環境や免疫、代謝機能を制御する因子のメチル化について検討を行っている。
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