• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

エピジェネティックアプローチによる肝線維化治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K19364
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

鍛治 孝祐  奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (20623490)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードDNMT1
研究実績の概要

DNMT1阻害剤である5-aza-2'-deoxycytidine (5-azadC)で処理を行ったヒト活性化肝星細胞株より分離したGenome DNAをBisulfite 反応によりconversion した後にIllumina Infinium HumanMethylation450K BeadChip array (Illumina 社)を用いて網羅的なCpG islandsの同定を行った。TGFβ, NF-κB, CyclinDなどの制御の関連するCpG lociは低メチル化状態を呈しており、既報でも示されている通り、RASAL1の脱メチル化が顕著に認められた。RASAL1のメチル化は肝線維化の持続化に関連しており、5-azadCによる肝線維化抑制にRASAL1の脱メチル化が関与している可能性が考えられた。
また、5-azadC処理により活性化肝星細胞におけるPTENの発現が上昇しており、これが活性化肝星細胞におけるERKやPI3K/AKTシグナルを抑制することで肝星細胞のviabilityを抑えていることが明らかとなった。さらにこの5-azadCによるPTENの発現上昇はsiRNAによりDNMT1をknockdownすると認められず、DNMT1による制御が確認できた。
さらに、現在マウス肝組織における網羅的メチル化解析を行っており肝星細胞以外の微小環境や免疫、代謝機能を制御する因子のメチル化について検討を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当該年度に終了予定であった、マウス肝組織における網羅的メチル化解析に関しては現在進行中である。

今後の研究の推進方策

肝星細胞を用いた網羅的メチル化の検討結果は一定の見解を得たが、本検討では既報で指摘されているエビデンス以上のものは見い出せず、現在行っているマウス肝組織における網羅的メチル化解析の結果を加えて詳細に解析することで新たな知見が得られることを期待している。得られた検討結果を元に、将来的には新たな抗線維化治療薬の創薬に繋げていくことを予定している。

次年度使用額が生じた理由

当該年度までにマウス肝組織における網羅的メチル化解析は終了しておらず、同解析に関わる費用として使用予定である。

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi