網羅的オミクス解析を駆使した肝癌再発予防薬非環式レチノイド(ACR)の標的同定の結果から、1)メタボローム解析では、ACRがアラキドン酸を阻害し癌化進展を抑制する方向に働くことを見出した。分子機構として、アラキドン酸がROS/TG2シグナルにより肝障害に関与することが分かった。2)トランスクリプト-ム解析では、MYCN陽性EpCAM陽性肝癌幹細胞がACRにより選択的に排除されることを見出した。プロテオーム解析/メタボローム解析では、不飽和脂肪酸がEpCAM陽性細胞で亢進していることを見出した。不飽和脂肪酸は、慢性肝障害を引き起こすとともに肝癌幹細胞のstemnessを維持することが示唆された。
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