IgG4の冠動脈病変への関与を解明するため、心血管イベント、脂質代謝パラメータ、投薬状況と血清IgG4値の関連を検討した。経皮的冠動脈形成術前の血清IgG4値が高値の症例では、その後の経過で、再血行再建を含めた心血管イベントを高率に認めた。弁膜症や心筋症と血清IgG4値の間には明らかな関連を認めず、投薬状況と血清IgG4値の間にも関連は見られなかった。さらに、血清IgG4値は脂質代謝パラメータと関連を認めたが、冠動脈ハイリスクプラークと血清IgG4値の関連は、脂質代謝パラメータと独立していた。冠動脈硬化へのIgG4の関与の可能性が示された。
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