研究課題
個体内において、血管内皮におけるYap/Taz転写活性の機能を理解するために、Zebrafishを用いて血管内皮Yap/Tazが、血管内皮形成・再構築や、周囲組織分化に与える影響を解析した。1、血管内皮のYap/Taz活性化が血管退縮に必要である。Zebrafishを用いて血管内皮特異的にYap/Tazの転写活性を阻害した。その結果、尾部静脈叢(CVP)に血管の退縮不良が確認された。この結果は、Yap/Tazの転写活性が血管の退縮に働いている事を示唆している。また、Yap/Tazの転写活性亢進させるものとして、血流量・血圧が関与する事が確認された。下流因子としてはYap/Taz転写活性依存的にctgf (connective tissue growth factor)の発現とactinの重合がおこり、これらが血管退縮に必須であることが明らかとなった。以上の事から、一部の血管退縮過程には、血流依存的なYap/Tazの転写活性によるctgfの発現とactinの重合が必須であることが明らかとなった。2、血管内皮のYap/Taz活性化が周囲組織の骨化を促す。上記の実験系に於いて、骨形成の遅延が認められた。この事は、血管内皮のYap/Tazが骨分化に影響がある事を示唆している。この経路は、血管内皮に於いてYap/Taz 依存的にBmp(Bone Morphogenetic Protein)を産生しており周囲の骨分化を促していることが明らかとなった。
すべて 2017
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Development
巻: 144(2) ページ: 334-344
10.1242/dev.143354.