研究課題
心房細動は生活習慣病の一つであると考えられ、食事や運動などの生活習慣の見直しと是正が心房細動の抑制に有効である可能性がある。心房細動に対するカテーテルアブレーション治療後の予後改善の介入事項として、小型の携帯型の加速度センサー搭載型の活動量計を用いて、運動機能の評価と日常的な運動療法の予後改善への影響を検討することを目的とした。今年度は初年度であり、より具体的な研究プロトコルの立案と研究計画の最終的な確認調整を行った。具体的な研究プロトコルとしては、名古屋大学医学部附属病院において、心房細動に対して初回カテーテルアブレーション治療が予定された症例を対象として術前3-4週間前の外来受診時から長期間評価用の加速度センサー搭載型活動量計を着用する。手術の入院日にはそれまでのデータを抽出し術前の日常活動量(歩数、運動量、総消費量、エクササイズ、活動時間、距離等)の評価を行う。通常の診療に沿って心房細動カテーテルアブレーション術を行う。退院から6か月後まで再度長時間評価用の活動量計を日常的に装着することによって術後の身体活動レベルや運動強度の評価を行い、6か月間の身体活動データ(歩数、運動強度、総消費量、運動量等)の解析と評価を行う。データ出力・解析は専用のソフト・行動変容支援ソフトウェアを用いて行い、術前と術後6か月間の活動レベル、運動強度の評価とその推移、またその後の再発の有無の違いについて比較検討を行う。上記のプロトコルの最終的な立案を行い、当院の臨床研究・生命倫理委員会に提出し現在審議中である。すでに加速度計の購入準備については同時に進めており、今後は倫理委員会の承認が得られ次第、研究実施について着手していく予定である。
4: 遅れている
研究実施に関しての最終的なプロトコルの調整で、当院での研究担当者の負担などを考慮し、やや研究計画の具体的な立案に時間を要したこと、また研究実施にあたり生命倫理委員会での申請と審議等に時間を要していることが原因として挙げられる。
倫理委員会からの承認が得られ次第、本格的に研究の実施を行っていく予定である。当院での豊富な心房細動アブレーション治療の実績から、組み入れ数に関しては問題はないと考えられる。
研究の実施が遅れていることから、実際に使用する機器の購入などがまだできておらず、このため未使用額が生じた。
今後は機器の購入の他にも、情報収集のための学会出張や論文執筆等の費用が必要になると考えられる。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件)
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