研究課題
心房細動は生活習慣病の一つであると考えられ、食事や運動などの生活習慣の見直しと是正が心房細動の抑制に有効である可能性がある。心房細動に対するカテーテルアブレーション治療後の予後改善の介入事項として、小型の携帯型の加速度センサー搭載型の活動量計を用いて、運動機能の評価と日常的な運動療法の予後改善への影響を検討することを目的とした。今年度は研究プロトコル・計画について、実施施設で生命倫理審査委員会からの承認が下りたため、症例の登録と研究を開始した。これまで12例の登録が完了した。1例についてはカテ―テルアブレーションが行われず、11例についてカテーテルアブレーション治療を行った。この内、すべての症例について加速度計装着を術前より施行し、少なくとも週に一日以上の着用を促した。現在までに観察期間が完了し加速度計のデータ分析が行えたものは2症例であり、それぞれの約半年間の計測値と分析結果では、術前に比べて平均歩数、最大歩数ともにアブレーション術後は増加傾向が認められる結果であった。一方、平均活動時間や運動強度の内訳は大きく変化は認められない結果であった。幸い分析が完了したこの2症例については、いずれも術後に心房細動の再発が認められていないため、活動能や運動能への変化がよく観察されたケースと考えられる。今後はさらに他の症例にも分析を進めることで、再発例についてもデータ分析を行い、非再発例との比較検討を行っていく予定である。
3: やや遅れている
症例の組み入れ登録を開始しているが、現時点では目標症例数達成のためにはやや足りないところがある。
今後も引き続き症例登録を続けて、目標数達成を目指す。また得られた結果をもとに分析を開始する。
症例登録が目標より少なかったことにより、機器の購入準備が遅れたことが要因と考えられる。今後は、必要な計測機器購入と、成果発表や情報収集のために学会発表や論文作成費用が必要である。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
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