研究課題
心房細動は生活習慣病の一つであると考えられ、食事や運動などの生活習慣の見直しと是正が心房細動の抑制に有効である可能性がある。心房細動に対するカテーテルアブレーション治療後の予後改善の介入および評価事項として、小型の携帯型の加速度センサー搭載型の活動量計を用いて、運動機能の評価と予後への影響を検討を行った。最終年度は引き続き症例登録を行うと同時に、観察期間の終了した症例について順次解析を行った。今年度はさらに8例の登録を行い、全体として20例の登録を行った。観察期間が完了し、30日以上の加速度計のデータ分析が行えた症例について分析を行うと、それぞれ約半年間の観察期間では、術前に比べて平均1日歩数、1日最大歩数において増加傾向が認められた。さらに、中等度の運動強度の活動時間や中等度以上の運動強度の最大活動時間においても、術後に増加する傾向が認められた。しかしながら、運動強度の内訳・割合については、大きな変化は認められなかった。また、アブレーション後に早期再発が認められたのは1例あったが、ブランキングピリオド以降の再発は認められなかった。今回、平均歩数、1日最大歩数、活動時間の改善が、アブレーション術後3か月以内の比較的早期から認められており、心房細動アブレーション治療による心房細動の抑制による速やかな運動能力と活動への効果が現れることが確認された。原因としては、心房細動が抑制できたことによる自覚症状の改善や、洞調律が維持されたことによる循環動態への寄与が考えられる。
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