バソプレッシン前駆体C末端に相当するコペプチンの心血管疾患の急性期における早期診断マーカーとしての有用性と、予後予測マーカーとしての有用性を検討するために急性冠症候群における診断能と急性心不全における長期予後との関連を検討した。急性冠症候群においては、従来のトロポニンTと組み合わせることで急性冠症候群の診断に対する感度が約80%まで上昇した。また、急性心不全においても来院時の血清コぺプチン高値は長期の死亡/心不全再入院の独立規定因子となることが明らかとなった。これらの本研究の検討結果から、コぺプチンの心血管疾患に対する診断および予後予測マーカーとしての有用性が示唆されたものと考えられる。
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