難病である特発性肺動脈性肺高血圧症の治療開発やiPS細胞を用いた病態解明において、肺動脈に特異的なマーカーを見つけることは重要である。今回の研究では、次世代シークエンサーを用いた肺動脈の血管細胞の網羅的遺伝子発現解析により、肺動脈に特徴的な遺伝子発現パターンを解析し、そこから、肺血管に特異的なマーカーの探索を行った。まず、肺動脈の内皮細胞と平滑筋細胞に分離して解析が行えるかどうか、レーザーマイクロダイセクション法を用いて検討を行った。分離した組織から得られた微量RNAは、増幅によって十分な量のcDNAを合成できたが、クオリティに問題があった。完全に特異的なマーカーの同定には未だ至っていない。
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