研究課題
慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)は、右心不全を発症しうる予後不良の疾患であ。外科治療や近年我々の施設を中心に飛躍的に発展している経皮的肺動脈形成術(PTPA)により、治療内容は飛躍的に発展しているが、その発症機序に関しては未だ未解明である。CTEPHの発症には、遺伝的背景だけでなく、microRNAsの関与の報告や、サイトカインの影響など、多くの因子がCTEPH発症に寄与していると推測されている。よって本研究では、我が国におけるCTEPH治療の拠点病院である杏林大学病院と慶應義塾大学病院との共同研究体制によって、カテーテルによる形態学的アプローチ・手術後組織を用いた病理学的および分子生物学的アプローチ・サイトカインやmicroRNA測定等によるエピジェネティクス解析アプローチを、多角的に組み合わせた集学的アプローチによってCTEPHの病態を解明し予後改善と治療法発展を実現させるものである。平成28年度はCTEPHに対するPTPAの治療効果に関する研究に関して、データベース作成を行った。基本的な治療効果の報告に関して2017年8月のヨーロッパ心臓病学会で発表予定である。
2: おおむね順調に進展している
順調に症例数を増やせているため、概ね順調に進展していると言える。
次年度は、構築したデータベースに基づき、カテーテルによる形態学的アプローチ・手術後組織を用いた病理学的および分子生物学的アプローチ・サイトカインやmicroRNA測定等によるエピジェネティクス解析アプローチを、多角的に組み合わせた集学的アプローチによってCTEPHの病態解明を進めていく。
物品購入の費用が当初の予想よりも安く済んだため
研究発表のための旅費及び論文英文校正のための費用に充てる
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)
Circulation
巻: 134 ページ: 2030-2032