研究課題/領域番号 |
16K19435
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
池 周而 福岡大学, 医学部, 講師 (00609498)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 経皮的冠動脈形成術 / レジストリー研究 |
研究実績の概要 |
我々のPCI(経皮的冠動脈形成術)に関するレジストリ-であるFU-Registryは、我々福岡大学病院 心臓血管内科学を中心とし、関連 施設である福岡大学筑紫病院、福岡白十字病院と提携し、1症例あたり約700項目の詳細な情報を収集、整理、数値化している。 このRegistryで、PCIに統計学的根拠を付加する事が可能であり、更なるPCIの臨床成績の改善に活かせると考えdataを日々蓄積している。H29年度は、dataの蓄積としては、300症例を追加登録し総登録症例数は3000を超えた。論文活動としては2論文を報告し、PCIの治療成績における性差と女性の低HDL血症に関するriskに着目した「Sex difference between target levels of cholesterol-related parameters and post-PCI long-term clinical outcomes: from the FU-Registry」がJournal of cardiologyにpublication(J Cardiol. 2018 Mar;71(3):259-267. doi: 10.1016)、「Correction to: Association between discordance of LDL-C and non-HDL-C and clinical outcomes in patients with stent implantation: from the FU-Registry」が Heart Vesselsにpublicationされた。また、今年3月の日本循環器学会総会では、Fu-Registryから4演題を発表し、5月の欧州動脈硬化学会では2演題がアクセプトされており発表を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年と比して、Registry登録数を300症例増やし、総登録数は3000を超えた。また論文活動は、昨年度に目標として挙げた「Sex difference between target levels of cholesterol-related parameters and post-PCI long-term clinical outcomes: from the FU-Registry」が予定通り、2018年にpublicationされた(J Cardiol. 2018 Mar;71(3):259-267)。また「Correction to: Association between discordance of LDL-C and non-HDL-C and clinical outcomes in patients with stent implantation: from the FU-Registry 」(Heart Vessels. 2018 Feb 19)もpublicationされた為、今年度はFu-Registryより2論文を報告した。学会発表活動としては2018年3月 日本循環器学会総会に4演題の演題発表を行い、国際学会においても、2018年2月 韓国での1st Asia-Pacific CardioMetabolic Syndrome Congressにて演題発表を行った。2018年5月にリスボンでの欧州動脈硬化学会総会において2つの演題発表を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
上記の様に5月に国際学会での演題発表が決定している。またFu-Registryが2003年から症例登録が始まっており、各世代の薬剤溶出性ステント(DES)使用病変をある程度均等に有しているという特徴を生かした「Differential contributing factors for in-stent restenosis (ISR) after percutaneous coronary intervention (PCI) among 4 generations of stents:from the FU-Registry」(仮)を現在 英語論文として制作中である。この他、複数の研究テーマが同時進行で解析が進んでおり、重要度、臨床的な意義に応じて順次、国際学会や日本循環器学会総会、英語論文として報告していく予定としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
H29年度は、data収集システム、解析システム、動画サーバーの再構築を行った。その為、新規に複数の大容量記録媒体や、プリンター、Angio結果の動画を読み込む為のdevice等の物品費は必要であったが、昨年同様に経皮的冠動脈治療において注目度の高い欧州の国際学会は、H28年度の段階で演題登録が必要であり、政治的情勢が不安定であった為、見送った。旅費等が予定より少なかった事や、大容量記録媒体の補充でコアラボラトリーのメインパソコンにある程度の容量の余裕が生まれた為、パソコン自体を新規購入する必要が無くなった事等が予算変更に至った理由として挙げられる。 (使用計画) 今年は、解析システム、data収集システム、動画サーバー等に大幅な改善を加える必要が無いが、引き続き、Registryを維持していく上での諸経費、消耗品に関する雑費等が必要となる。また、上記の様に、今年は欧州動脈硬化学会に既に2演題の発表が決まっており、また、その他、TCT、SCAI等の国際学会にも演題登録を検討しており、日本循環器学会総会にも複数の演題を登録する。H30年度は研究成果の発表、報告を多く行う予定である。
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