CTEPHの器質化血栓から発生した肉腫様細胞と筋線維芽細胞を肺高血圧症処理を施したラットに投与した。しかし、SDラットでは細胞が生着せず、T細胞免疫を欠いたF344ラットでは長期生存が得られないなどの問題点が発生した。研究期間中に肺動脈に発生する肺動脈内膜肉腫の手術検体より世界で初めて細胞株の樹立に成功した。この細胞をマウスやラットへの投与したが、残念ながら同様の要因によりCTEPHモデル作成には至らなかった。一方、PIS-1と命名されたこの細胞はラットにおける腫瘍形成能など悪性細胞の必要条件を満たし、チロシンキナーゼ受容体が肺動脈内膜肉腫の治療ターゲットになり得ることが明らかとなった。
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