研究課題
まず、閉塞性気道疾患例における1秒量低値に関与する炎症タイプを検討した。非喫煙喘息例では好酸球性気道炎症が、喫煙非喘息例では好中球性気道炎症が、気流閉塞と関連するが、喫煙喘息における炎症タイプと気流閉塞との関連は不明であった。そこで、過去喫煙喘息例を対象とし、血液像と呼吸機能検査との関連を検討した。そして、以下の結果を得た。過去喫煙喘息例は、年齢および性別をマッチさせた非喫煙喘息例に比べ、呼吸機能が低かった。また、過去喫煙喘息例は、末梢血好酸球数および末梢血好中球数がそれぞれ独立してFEV1低値に寄与した。過去喫煙喘息例において末梢血好酸球数はFeNO/CANO、FVC、R5-R20/Fres/AX、末梢血好酸球数はFEF25-75%と、有意に相関した。以上より、未治療過去喫煙喘息例において、好酸球性炎症および好中球性炎症の両者の重要性が示された。次に、閉塞性気道疾患例における好酸球炎症を反映するバイオマーカーを検討した。成人喫煙喘息患者において、登録時の黄色ブドウ球菌の感作の有無とIgE/好酸球性炎症を含めたさまざまな臨床指標との関連を検討した。その結果、過去喫煙および現喫煙において、黄色ブドウ球菌感作群は非感作群に比し、他の吸入抗原に対する特異IgE値および血清総IgE値、末梢血好酸球数が高く、より重症であった。閉塞性気道疾患例において、黄色ブドウ球菌が好酸球性炎症および重症度を反映するバイオマーカーである可能性が示唆された。
3: やや遅れている
症例数不足。
症例数を集積。
症例集積に時間を要し、バイオマーカー測定に遅延が生じたため
引き続き、症例集積を行い、有用なバイオマーカーを探索する。
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